1-1. 漂と信、運命の別れ目。すべては、ここから始まった。
キングダム。
あまりにも壮大すぎる世界観、
命をかけて、武将たちはそれぞれの正義を貫こうと
どこまでも熱く、過酷な戦国の世の物語。
どれも涙なしには読めないものばかり。
そんな漫画に、幸運にも出会うことができた!
これは読みっぱなしでは終われない!
ということで、
素晴らしい作品を描いてくださった原先生への感謝の気持ちと、
まだ読んでない方にもエッセンスをお伝えしたい、
そしてぜひ読んでほしい!という思いで、
感想を書いていこうと思います。
もしかすると、
ちょっとその解釈おかしくない?
と思われる部分もあるかもしれませんが・・
へ〜、こういう視点もあるんだ、
と面白がっていただけると嬉しいです。
ということで、早速!
物語の始まり、第1巻から始めたいと思います!
物語の主人公は、いつも奇跡と隣り合わせです。
キングダムの主人公、信にとって、
最大の奇跡が、冒頭に描かれてます。
それは、
最も身近な存在が、漂であったこと
漂は、信と同じ戦争孤児。
2人はたまたま同じ家に拾われて、
時に兄弟、
時に親友、
時にライバルとして、
剣の腕を磨きながら育ちます。
漂は、野心家であり、
それでいて知性と精神性の高さの持ち主。
目の前のことにカッとなる信の視点を
天下最強の大将軍になるという
理想の未来に向けさせるのでした。
そんな強くて賢い漂は、ルックスも端正。
そのルックスが、漂の人生を
180度変えることになるのです。
いえ、漂だけでなく、
信の人生も。
剣術の練習をする2人を、
大臣、昌文君が偶然見かけ、
王宮に仕えるようにオファーを出します。
ただし、オファーを受けたのは
漂一人だけ。
信にはお声がかかりませんでした。
いつも2人一緒だった漂と信。
でも、ずっと一緒でいられるはずもなく、
遅かれ早かれ、2人は別の道を進まなくてはなりません。
その分岐点が、ついにやってきたのでした。
漂は悩み、葛藤した結果、王宮で仕える道へ。
信は変わらず地主の下僕の道を進みます。
さすが漂、自分のみならず、
信の人生をも大きく揺さぶる人生の岐路で、
感情に飲まれ図、英断を下しました。
もし漂が「俺一人行くのは信に悪い・・」
なんて、しょうもない遠慮をして、
王宮のオファーを断っていたら・・
この物語は始まらなかったでしょう。
目の前に道が2つ現れた時、
1つは、過去から続く道。
もう1つは、
未来からやってきた道。
物語が始まるのは、後者、
未来からやってきた道です。
これはキングダムや漫画の世界に限らず、
わたしたちの日常にも起こり得ます。
未来からの道を選べば、
人生はドラマティックに展開していく。
ですが、
多くの人は、
未来からの道を選ばず、
現状維持の、過去から続く道を選びます。
なぜでしょう。
理由は簡単。
ラクだからです。
過去から続く、
慣れ親しんだ今日のような1日を
明日も明後日も、ずっと続ける方が
人は、ラクなのです。
漂も同じ。
貴族ばかりの王宮の中、
たった一人、下僕出身の自分。
完全なるアウェイの、イバラの道に飛び込むより、
今の家に止まって、
信と2人で剣の練習に明け暮れる毎日の方が
ラクなのです。
が、漂が選択したのは、
ラクな道ではなく、
イバラの道でした。
漂がこの決断をした瞬間、
時空に大きな変化が現れます。
時間の流れが、
過去からではなく、
未来から、流れ始めるのです。